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富士山が世界遺産登録に時間がかかった理由は?認められた理由も紹介

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富士山は2013年6月26日に世界遺産に登録されました。

その効果もあって、近年では多くの外国人観光客が富士山とその周辺を訪れています。

でも、実は世界遺産に登録されるまでに長い年月(時間)がかかったことをご存知でしょうか。

今回は富士山が世界遺産登録に時間がかかった理由についてご紹介しましょう。

合わせて世界遺産登録取り消しの事例なども見ていきますから、どうぞ最後までお付き合い下さい。

 

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世界遺産登録に時間がかかった理由は?

富士山が世界遺産登録に時間がかかった最大の理由は、当初は「世界自然遺産」への登録を目指していたからです。

世界遺産はその内容によって次の3種類があります。

・文化遺産・・・遺跡や建築物

・自然遺産・・・自然環境

・複合遺産・・・遺跡や建築物と自然環境の両方

 

富士山は「世界自然遺産」での登録を目指していましたが、ゴミの投棄や、ずさんなし尿処理などが祟り推薦候補から外されたのです。要するに汚かったんですね。

そこでバイオトイレの設置など対策を進め、あらためて富士山と周辺施設などを含めた「世界文化遺産」として登録を目指したんです。

※富士山のバイオトイレとは

 汚物とおが屑を混ぜ合わせることで水分を蒸発させたり微生物を分解させたりするトイレ。

 水が不要で、無臭である。

 おが屑の交換は2~3年に一度で使用後のおが屑は肥料になる。

バイオトイレ以前は垂れ流しだったそうです・・・・

アルピニストの野口健さんが2000年から富士清掃登山をしていたことは当時有名でしたね。

 

世界遺産登録まで何年かかった?

当初の「世界自然遺産」登録を目指した頃まで遡ると、2013年6月26日に「世界文化遺産」に登録されるまで、じつに21年もの歳月を費やしています。

つまり生まれた子供が成人になるまでの年月がかかった事になります。登録を目指していた関係者にとっては、気の遠くなるような年月だったに違いありません。

 

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認められた理由は?

「世界文化遺産」に登録された理由は、

富士山が古くから信仰を集める山だったことと、

浮世絵など芸術に与えた影響が大きかったことが上げられます。

ですから登録されたのは富士山の山体だけではありません。

これだけの場所が同時に「世界文化遺産」に登録されているんです。

 

■世界文化遺産の構成資産

【富士山域と一体化した範囲】

・富士山
・山頂の信仰遺跡群
・登山道
・北口本宮冨士浅間神社
・西湖
・精進湖
・本栖湖

 

 【周辺神社など】

・富士山本宮浅間神社
・山宮浅間神社
・村山浅間神社
・須山浅間神社
・冨士浅間神社
・河口浅間神社
・冨士御室浅間神社
・御師住宅(旧 外川家宅・小佐野家住宅)
・山中湖
・河口湖
・忍野八海
・船津胎内樹型
・吉田胎内樹型
・人穴富士講遺跡
・白糸ノ滝
・三保の松原

これだけたくさんの自然と建築物が富士山世界遺産の構成資産だとは驚きですね。

富士山が世界遺産だと聞いて、富士山の山だけが世界遺産であると思っていましたからね。

 

世界遺産登録取り消しもあるって本当?

ユネスコの世界遺産リストは後世に伝えるべき文化遺産や自然遺産の一覧ですが、登録理由となった要素が失われると世界遺産登録から取り消されることがあります

現在までに2件取り消されており、また取り消すかどうか世界遺産委員会の審議で俎上に載せられた資産は複数存在します。

日本国内では取り消された遺産はありません。

それではどこがどんな理由で取り消されてしまったのでしょうか。

 

取り消しされた世界遺産の例

それでは具体的に取り消された世界遺産とその理由について見ていきましょう。

 

■アラビアオリックスの保護区

「アラビアオリックスの保護区」は、オマーンが1982年に設定した自然保護区で、1994年に世界遺産リストに登録されました。

アラビアオリックスはウシ科の動物で真っすぐ伸びた2本の角が特徴となっています。

自然保護区の面積は27,500km2にも及ぶ広大な地域でしたが、オマーンは勝手に縮小して2,824 km2と約90%も縮小してしまいます。

ユネスコには無届け出の変更だったので、登録要素が無くなったと判断され世界遺産から抹消されました。

なお、保護区を縮小した理由は、石油などの地下資源の開発が目的だったようです。

 

■ドレスデン・エルベ渓谷

「ドレスデン・エルベ渓谷」は、ドイツの世界遺産の一つとして2004年に登録されました。

対象は歴史的な都市ドレスデンとその周辺、ユービガウ城からピルニッツ城までのエルベ川沿岸約18kmとなっていました。

しかし、ドレスデンでは戦前から橋の建設が計画されていました。

そして、2005年に橋の建設の是非を問う住民投票が行われました。

その結果は賛成多数で、ヴァルトシュレスヒェン橋の建設が決定します。

世界遺産委員会は橋の建設は、景観に重大な影響を与えるとして2009年に世界遺産から抹消しました。

 

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まとめ

  • 富士山は世界遺産に登録されるまで時間がかかっている。
  • 富士山が世界文化遺産に登録されるまで21年かかった。
  • 富士山の世界文化遺産の構成資産は多岐にわたっている。
  • 世界遺産は登録されても構成要素が失われると抹消されることがある。
  • 実際に抹消されたのはオマーンの「アラビアオリックスの保護区」とドイツの「ドレスデン・エルベ渓谷」の2件。

以上、富士山が世界遺産登録まで時間がかかった理由について見てきました。

富士山は世界文化遺産だったんですね。

山体以外に構成要素が多岐にわたっていることも驚きでした。

みなさんはいかがでしたか?

さて今回はこの辺で。最後までお読みいただきありがとうございました。

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