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日本が海外でジャパン(JAPAN)という理由!なぜニッポンではないの?

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日本の国名は英語圏では「ジャパン(JAPAN)」と呼ばれます。


どうして「ニッポン(NIPPON)」ではないのでしょう。不思議ですよね。

そこで今回は日本が「ジャパン(JAPAN)」と呼ばれるようになった理由について調査したいと思います。

国別の日本の呼び方についても調べたので、どうぞ最後までお付き合い下さい。

 

日本を海外ではジャパンという、その理由は?

早速、日本が『ジャパン』と呼ばれるようになった理由を見ていくことにしましょう。

結論としては、どうやら歴史的な背景などいくつか理由があるようですが...

どうして「ジャパン」になったのかについては諸説あり、長い年月をかけての言葉の変化にこれだと断定はできませんでした。

 

歴史的な理由

かつて「倭国」や「倭」などと呼ばれていた日本が、国号として「日本」を制定したのは天武天皇の時代(在位673年~686年)です。

現在の日本人は「日本」と書いてあれば「にほん」「にっぽん」と読みます。

ところが天武天皇の時代には「漢音(かんおん)」という読み方があったんです。

この読み方で「日本」を読むと「じっぽん」となります。

現在、中国の標準語とされているのは北京語です。北京語では漢音に近い「ジーペン」と読みます。

まずはこの事を頭の片隅に置いておいて下さいね。

 

日本という国がヨーロッパで知られるようになったのは、1300年頃に出版されたマルコ・ポーロの「東方見聞録」からです。

この本の中でマルコ・ポーロは日本のことを「ジパング」と紹介しました。

マルコ・ポーロが日本を知ったのは、当時モンゴル帝国が治めていた中国でのことです。(700年ほど前)

当時のモンゴル帝国の発音は「ジーペン」に近い物ではあったけど、同じという訳ではありませんでした。

※おそらく、マルコポーロは「ジーペン」ではなく、「ジパングZipangu」と聞いた可能性があるのではないかと思いました。(筆者の考え)

そこで「ジーペン」から「ジパング」となったわけです。

そして「ジパング」はやがて「ジャパン」に変化していくことになります。

イタリアでは日本のことを「Giapponeジャポーネ」といいます。

ポルトガルでは「ジャポン」といい、16世紀種子島にポルトガル人が漂着したことから、

「ジーペン」→「ジパング」→「ジャパン」に変わっていきました。

・7世紀 日本  「ジッポン」(漢音の詠み方)

・中国・北京語 「ジーペン」

・13世紀 マルコポーロが「ジパング」と聞く

・マルコポーロの国、イタリアでは「ジャポーネ」と発音。

・16世紀 ポルトガル人が種子島に漂着。「ジャポン」と発音。

・ジャポンの英語発音が「ジャパン」

 

その他の理由

 ➀『オックスフォード英語辞典』は、ヘンリー・ユールの説に基づいて

「ジャパン」は中国語の「Jih-pŭn」がマレー語の「Jăpung, Japang」を経てヨーロッパ諸語に取り入れられたもの。

「Chipangu (チパング)」と語源は同じだが別系統の語だとしています。

➁また歴史学者の岡本良知は16世紀に東アジアに来航したポルトガル人が、

「日本」の中国音(広東音)を直接伝え聞いて記録したもので、マルコ・ポーロの「ジパング」とは関係ない、と主張しています。

 

このように、どうして「ジャパン」になったのかについては諸説あり、長い年月をかけての言葉の変化にこれだと断定はできなかったのです。

 

いつ頃「ジャパン」で定着したのか

日本に鉄砲が伝えられたのは1543年とされています。

漂着したポルトガル人が種子島で実演したことからでした。

それ以降、宣教師が多く日本に渡ってくるようになります。

当然、日本という国は知られるようになり、16世紀後半以降「ジャパン(ポルトガル語ではジャポン)」が定着するようになりました。

 

NIPPON表記だったストックホルムオリンピック

NHK大河ドラマ「いだてん」で脚光を浴びたストックホルムオリンピックですが、日本選手団は「NIPPON」というプラカードを掲げて入場しました。

主人公の金栗四三が「オリンピックの開会式で掲げるプラカードの国名表記は『NIPPON』にするべきだ!」と強く主張したためこうなりました。

「NIPPON」と表記されたのは後にも先にもストックホルム大会のみです。

以降の大会ではすべて「JAPAN」と表記されています。

 

ニッポンではだめなのか

第一次世界大戦(1914年~1918年)前の一時期、日本は諸外国に対し「JAPAN」ではなく「NIPPON」と呼ぶようにアピールしていたことがあります。

日露戦争(1904年~1905年)に勝った頃で日本国内のナショナリズムが膨張していた時期ですが、「NIPPON」と呼び方を変えた外国はありませんでした。

「JAPAN」は既に定着していたんです。

 

国際表記を今更変えられる?

国名は国際表記でもあります。

それでは国際表記を変更することは可能なんでしょうか。

変更した例はあるのか、やはり変えられなかった例はあるのか、見ていくことにしましょう。

 

実際変更した例はあるのか

じつは国際表記を変更した国はあるんです。

それは「ジョージア」。以前は「グルジア」と呼ばれていた旧ソ連の一国です。

関取にも「ジョージア」出身の方がいますよね。そう栃ノ心関です。

紹介される時「ジョージア出身」とされますから知っている方も多いと思います。

 

やっぱり変えられない?

替えようとあれこれ働きかけたものの、賛同を得られずそのままという国もあります。

それは「オーストリア」です。

「オーストリア」は度々「オーストラリア」と間違われたり混同されたりしてきました。

そこでドイツ語読みである「エスターライヒ」または「エステルライヒ」に変えられないか孤軍奮闘していたのですが替、最近はついに諦めたようです。

 

NIPPONそれともNIHON?

わが国の公式文書と通貨には「NIPPON」が使用されています。また切手にも「NIPPON」が使われています。

そうなると「NIPPON」が正しくて「NIHON」は間違っているような印象を受けますね。

ところがそんなことはないんです。

2009年に日本政府は見解を出しました。その見解によると「『にっぽん』でも『にほん』でもどちらでも良い」。

なんだかどうでもいいように聞こえますが、日本政府による公式な見解なんです。

 

ちなみに国別の日本の呼び方

最後に国別の日本の呼び方をご紹介しましょう。

・英語圏の国:ジャパン
・フランス:ジャポン
・ドイツ、オランダ:ヤーパン
・イタリア:ジャッポーネ
・スペイン語圏:ハポン
・ロシア、ウクライナ、ポーランド、ベラルーシ:イポーニヤ
・中国:リーベン
・韓国:イルボン
・モンゴル:ヤポン
・タイ:イープン
・インドネシア:ジュパン
・アフリカ(スワヒリ語):ジャパニ

 

まとめ

  • 「日本」を「ジャパン」と呼ぶようになったのには歴史的な背景がある。
  • 歴史的な背景以外にも「ジャパン」と呼ぶようになった説は複数ある。
  • 日本が「ジャパン」で定着したのは16世紀後半から17世紀にかけて。
  • 「NIPPON」と表記したオリンピックはストックホルムオリンピックのみ。
  • 国際表記を変更した国はある。「グルジア」が「ジョージア」に変わった。
  • オーストリアは国際表記を変更できなかった。
  • 「日本」の読み方は「にほん」でも「にっぽん」でもどちらでもいい。
  • 世界には「ジャパン」以外の呼び方が多数ある。

以上、海外で日本を「ジャパン」と呼ぶ理由について見てきました。

マルコ・ポーロの東方見聞録が元だと言われていますが、他にも諸説あるんですね。

「日本」の読み方は「にほん」でも「にっぽん」でもいいという日本政府の見解があったなんて知りませんでした。

なかなか興味深かったです。

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