みなさんはキリスト教はご存知ですよね?そして大きく分けると、プロテスタントとカトリックの2つになるというのも、おわかりになると思います。
ではプロテスタントとカトリックの明確な違いを説明できるでしょうか。
これ簡単そうでなかなか厄介なんですよ。
そこで今回はプロテスタントとカトリックの違いについてわかりやすく解説してみたいと思います。どうぞ最後までお付き合い下さい。
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目次
プロテスタントとカトリックの違いを解説します
それでは具体的にプロテスタントとカトリックの違いを解説しましょう。
元々キリスト教はカトリックだけでした。ローマ・カトリック教会が総本山だったんです。これは今でも変わりませんが。
ところが16世紀に入るとローマ・カトリック教会は腐敗し始めます。
教皇位の世俗化や聖職者の堕落に加えて、教会から札を買えば罪がなくなるという「免罪符」まで売り出したことから、宗教改革が起きてしまいます。この改革の中心人物がドイツの神学者であるマルティン・ルターです。歴史の授業で習いましたよね?
そしてカトリックに対するプロテスト(抗議)だったので、プロテスタントと呼ばれるようになったんです。
これは基本ですから抑えておいて下さい。
*ここからの説明は教会の歴史に従ってカトリック、プロテスタントの順番で説明します。
神父と牧師
神父さんと牧師さん。どんな違いがあるかご存知ですか?
神父はカトリック教会や東方正教会、ギリシャ正教会などで司祭を務める聖職者の尊称なんです。
一方、牧師はプロテスタント教会の教職者の呼称で、正式な職名なんです。
神父は正式な職名ではないというのは、ちょっと意外かもしれませんね。
豪華とシンプル
カトリックは伝統を重んじます。そのため教会は荘厳で華麗になっています。神父の服装も豪華できらびやかなことが多いですよね。

カトリック教会
一方プロテスタントは、カトリックの権威主義に抗議をして分かれたわけですから、教会も牧師の服装も基本的にはシンプルです。

プロテスタント教会
ただプロテスタントには非常に多くの宗派があるので、中にはカトリック顔負けの豪華な教会もあるかもしれませんが。
マリア崇敬と普通のマリア
マリア崇敬とは、聖母マリアを仲介者として三位一体の神への取り次ぎを願うことで、カトリック教会の教義に基づくものです。
よく混同される「マリア崇拝」という言葉ですが、これは聖母マリアを崇拝する宗教的行為で、キリスト教では禁じられています。
プロテスタントにはマリア崇敬はありません。いわば普通のマリア様といったところでしょうか。
権威主義とみんな平等
カトリックはローマ教皇をトップとした厳格な階級社会となっています。ピラミッドの頂点に立つ教皇に逆らうことは許されません。このためどうしても権威主義的になりがちなんです。
一方、プロテスタントは権威主義に抗議をして分かれたので、カトリックのような階級社会ではありません。牧師が頂点という事はありません。牧師も信者もみんな平等であると言えるでしょう。
十字を切る、切らない
カトリックもプロテスタントもキリスト教ですから、どちらも十字を切ると思っていませんか?
じつは十字を切るのはカトリックと正教会(東方正教会、ギリシャ正教会)だけで、プロテスタントは十字を切らない宗派がほとんどなんです。
ちなみにカトリックと正教会では十字の切り方が異なります。カトリックは額、胸、左肩、右肩の順で切りますが、正教では額、胸、右肩、左肩の順で切るんです。
カトリック神父は結婚NG・プロテスタント牧師は結婚OK
神父と牧師。結婚は出来るのでしょうか。
カトリックの神父は妻帯は認められていません。ですが正教会では司祭(神父)の一つ手前、輔祭に叙聖される前であれば結婚出来ます。したがって神父になってからの結婚は出来ないというのは同じです。
一方、プロテスタントの牧師には妻帯が認められています。
ちなみにプロテスタントの牧師には女性もなれます。
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元々は一つのキリスト教だった
前述した通り16世紀に起きたルターの宗教改革によってプロテスタントは分かれました。
ですからプロテスタントは宗派の数が非常に多いんです。
中にはアメリカの福音派のように政治に影響を及ぼすほどの宗派も存在します。
プロテスタントとカトリックは敵対してるの?
カトリックはプロテスタントの主流派とは友好関係にあります。
ですが福音派とは友好関係にあるとは言えない状況です。そして最も敵対しているのがペンテコステ派になります。
これはペンテコステ派がカトリックを毛嫌いしているためで、しばしば敵対的な発言を繰り返しています。
プロテスタントはたくさんの宗派があるのでややこしいですね。
日本のウェディングはプロテスタントとカトリック、どっちなの?
カトリックは厳格なので結婚式の時だけキリスト式というのは認めません。したがって結婚式で呼ばれるのは100%プロテスタントの牧師ということになります。
ただプロテスタントは非常に多くの宗派があるので、どの宗派の牧師が多いのかまではわかりません。
それからこんな事を話していいのかどうか迷いますが、じつは結婚式場の牧師さんは本物ではない場合も多々あるんですよ。外国人の場合では普段は英語の先生というケースもあります。
なんだか有り難みがなくなりますね。
まとめ
- プロテスタントはカトリックに抗議(プロテスト)したことから生まれた。16世紀、ルターの宗教改革である。
- 神父は敬称で牧師は職名。
- カトリック教会は荘厳で華麗。プロテスタントの教会はシンプル。
- マリア崇敬はカトリックのみ。
- カトリックは教皇をトップとした階級社会。プロテスタントは横並びの社会。
- 十字を切るのはカトリック正教会。プロテスタントは切らない宗派がほとんど。
- カトリックの神父は妻帯できない。プロテスタントの牧師は妻帯できる。
- カトリックとプロテスタントの主流派は友好関係にあるが、プロテスタントの一部の宗派とは対立している。
- 結婚式場の牧師はプロテスタント。ただし本物ではないことも多い。
以上、カトリックとプロテスタントの違いはおわかりいただけたでしょうか?結構、いろいろ違うものなんです。さて。今回はここまで。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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