先日、友人がこんな事をボヤいてました。
「インフルエンザで休んでいたら会社から出勤しろって電話が来てさ。ようやく熱が下がったばかりで咳がまだ続いてるのにだよ?いいからマスクして来いだとさ。こういうのってどうなのかねえ」
インフルエンザは他の風邪とは違いますよね。感染力も強いし重篤化することもあります。

まだ咳があるのに出社すれば周りの人に移してしまいます。
ただ、どれくらい休めばいいんでしょう?ドクターの指示に従えばいいんでしょうか。
それとも何か法律などで決められているんでしょうか。
そこで今回はインフルエンザに罹った時の対応についていろいろ調べてみました。
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目次
インフルエンザで会社は何日休むのか?
通常、インフルエンザの潜伏期間は3日から7日間と言われています。
インフルエンザの症状である高熱や関節の痛みが収まっても、発症から7日間はウィルスを出し続けていることになるんです。
ですからインフルエンザに罹った場合、最低7日間は会社を休んだ方がいいと言えます。
ですがインフルエンザで会社を休む時の明確な規定はないんです。
会社によっては規則で定められている場合もありますがそうではない会社も多いんです。
決まっていない場合は会社と相談して決めるのがベストでしょう。
ただ、小さなオフィスで社員の距離が近い場合や、飲食店などの接客業などは長めに休んだ方がいいと思います。
休む基準は?
インフルエンザで休む時の明確な規定がない以上、いつから休むのかという基準もないことになります。
多くの人は急な発熱や関節の痛みといった症状が出てから休むと思いますが、出来れば咳が出始めた段階で休んで欲しいと思います。
ある漫画家さんの実話なんですが、締め切り近くの追い込み作業の最中に、インフルエンザに罹ったアシスタントが無理をして出て来たんだそうです。
猫の手も借りたい程の忙しさですから、漫画家さんも他のアシスタントさんも彼に感謝します。
ところが…。
その3日後、どうなったと思いますか?
なんと漫画家さんとアシスタント全員が高熱で倒れてしまったんです。当然、締切には間に合わず原稿を落とすことに。
以降、その漫画家さんはアシスタントが咳をすると、すぐに病院に行かせて症状が収まるまで出社禁止としたそうです。
甘く見ない方がいいんですよ、インフルエンザは。
みんな本当に医者の言う通りの日にちを休んでいる?
多くの医師はインフルエンザの場合は5日間は休むよう指導するようです。
最近では、風邪とインフルエンザとは明確に区別されるようになりましたから、医師の指導に従っている人の方が多いと思います。
昔は風邪とインフルエンザを混同していたので、風邪くらいで休むとは非常識などと言われたこともありましたが、今ではそれこそ非常識というわけです。
休まなければいけないのに(自ら)出勤した場合は?
医師の診断がインフルエンザで、かつ5日間は休むように言われたのに出社した場合はどうなるのでしょうか。
前述した通り最近では風邪とインフルエンザは別であるという認識が普通になっています。
そんな中、出社した場合は同僚や上司から非難されるかも知れません。
場合によっては会社からペナルティを課せられるかも知れません。
第一、高熱や関節の痛みがある状態では、まともな仕事なんてこなせるはずがありません。
さっきの漫画家さんの話に加えて、さらにもう一つ実話をお話しましょうか。
海上自衛隊のある護衛艦で起きた実話です。
アメリカ海軍との大がかりな訓練に参加するために、某基地から出港した護衛艦ですが訓練に参加する前に急遽帰港してしまいました。
帰港の理由は隊員が「戦闘不能状態」となったため。
じつはインフルエンザに罹った隊員が一人いたんです。狭い艦内のことですから、あっという間にほぼ全員がインフルエンザに。
その結果その護衛艦の隊員は全員「戦死判定」とされてしまったんです。
もちろん実際に死者が出たわけではありません。そしてこの事案はじつは今でも極秘なんだそうです。
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休まなければいけないのに出勤命令が下されるとどうなる?
インフルエンザに罹っていて休まなければならないのに「人手が足りないから出てくれ」と言われた場合はどうなるのでしょうか。
じつはこれ、いろいろ問題があるんです。
法律に触れる可能性すら含んでいるんですよ。
まずは法的にどうなるのか、から見ていきましょう。
法的には?
企業は労働契約法5条により従業員の生命・身体等の安全を確保しつつ労働することが出来るよう必要な配慮をすべき義務を負っているんです。
これを「健康配慮義務」と呼びます。
インフルエンザに罹っているのに出社を強要する場合はこの法律に抵触する可能性があります。
この場合、従業員の出社拒否は認められるでしょう。
そもそもそういう状況にある従業員に対して、無理に出社命令を出すのは「パワハラ」に相当します。
また十分な感染予防対策を取らず他の従業員に広がった場合も、責任を問われるのは企業側ということになります。
熱があっても出勤を強いるブラック企業は訴えられる?
前述の通り法律に抵触しているのは確かです。
ですが、それと訴訟を起すことはイコールにはならないでしょう。
そもそも法律や従業員の事に無頓着なのがブラック企業です。
そういう企業を相手にしても時間とお金の無駄だと思います。
それよりもまともな勤め先を探した方がいいのではないでしょうか。
もちろん、無理に出社したことが原因で、体に重篤な障害が残った場合などは別です。
十分な慰謝料が認められる可能性は高いと言えるでしょう。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
そろそろインフルエンザのシーズンが近づいて来ました。
うがいや手洗いなど予防には十分注意しましょう。
運悪く罹ってしまった場合は早めに病院で診てもらいましょう。
それからくれぐれも無理な出社は控えて下さい。漫画家さんや護衛艦のような事になり兼ねませんから。
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