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帰り花(忘れ花・狂い咲き)の意味とは?天変地異の前触れじゃないの?

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帰り花ってご存知ですか?忘れ花とも狂い咲きともいいますね。

引用元:https://blogs.yahoo.co.jp/misakiizumi/63131764.htm...

いずれも意味は同じで、季節外れに花が咲くことなんですが、俳句の季語にもなっているんです。

でも季節外れに咲く花って、なんだか気味が悪いですよね。もしかしたら天変地異の前触れかも知れません。

これはいろいろ調べてみないといけませんね。

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帰り花の意味は?

帰り花とは小春日和に草木が本来の季節とは異なって咲かせた花のことを指します。

小春日和は晩秋から初冬にかけて冬型の気圧配置が緩み、日本が移動性高気圧に覆われることにって、春のような気温になる日のことをいいます。

引用元:https://blog.goo.ne.jp/ikeikechocochoco/e/6abd0693...

晩秋は寒露(10月8日頃)から立冬(11月7日頃)までの期間で、初冬は立冬から大雪(12月7日頃)なので、10月8日頃から12月7日頃までの間の春のような陽気の日が小春日和ということになります。

帰り花は人が忘れた頃に咲くので「忘れ花」と言うこともあります。

また「返り花」とも書き「二度咲き」「狂い咲き」ともいいます。

また「返り花」には一度身請けされた遊女が、再び遊郭に勤めに出るという意味もあります。

俳句では冬の季語の一つとなっており、

「凩に匂ひやつけし帰花」(松尾芭蕉『後の旅』)、

「かへり花暁の月にちりつくす」(与謝蕪村『夜半叟句集』)、

「あたら日のついと入りけり帰り花」(小林一茶『享和句帖』)

などの例があります。

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どんな花がある?

帰り花の代表的な草木は桜、梅、梨、ツツジなどがあります。

例えば桜は遅い台風によって葉が全部飛ばされてしまい、その後に小春日和になると花を咲かせてしまいます。落葉と気温で冬から春になったと勘違いしてしまうんですね。

藤は4月から5月が開花時期ですが、夏から秋にかけて二度咲きすることがあります。これは台風で枝先が痛んだり、虫や鳥が巣を作ったのが刺激になって咲くんだそうです。

こちらは小春日和とは関係はありませんね。

天変地異の前触れじゃないの?

狂い咲きは天変地異の前触れだという話があります。

知られた話としては芥川龍之介が関東大震災を予知していたというエピソードがあります。

芥川龍之介が1923年の8月、鎌倉の平野屋に宿泊した時の話です。

芥川は宿の周辺に季節外れの山吹や藤、ツツジが咲き乱れているのを見て驚き、「天変地異が起こりそうだ」と、会う人会う人にうったえます。

ですが誰もまともに取り合ってくれませんでした。作家仲間の久米正雄からは嘲笑される始末です。

しかし彼が東京に戻った8月25日の7日後の9月1日。あの関東大震災が本当にやってきたんです。久米正雄は後日、芥川龍之介に「君の予言は当たった」と言い、敬意をはらったんだとか。

山吹や藤、ツツジはいずれも5月頃に咲く花です。芥川龍之介はそれらの花が8月末に咲いているのを見て異常を感じたのでしょう。

1種類の花が狂い咲きをしていたとしてもさほど珍しくはないのですが、3種類の花が同時にというのはめったにない事ですからね。

ただ…。1種類の草木だけでも異常を見せたあとに大地震が起きているケースもあるんです。

いずれも阪神淡路大震災にまつわる話です。

■朝顔が夏から半年も咲き続けた(阪神淡路大震災、前兆証言1519より)

■地震前に椿の花が200も狂い咲きした(阪神淡路大震災、前兆証言1519より)

う~ん。身近な草木の変化には気をつけておいた方がいいかもしれませんねえ…。

まとめ

・帰り花とは小春日和に草木が本来の季節とは異なって咲かせた花のことを指す。

小春日和は10月8日頃から12月7日頃までの間。この期間に本来なら春から初夏に咲く花が咲くと帰り花ということになる。

・帰り花の別の言い方には「忘れ花」、「返り花」、「二度咲き」、「狂い咲き」がある。「返り花」には一度身請けされた遊女が、再び遊郭に勤めに出るという意味もある。

・俳句では冬の季語の一つである。

・帰り花の代表的な草木は桜、梅、梨、ツツジなど。桜は遅い台風で葉を飛ばされると花を咲かせることがある。藤や山吹も季節外れに花を咲かせることがあるが、これは「二度咲き」または「狂い咲き」であり、「帰り花」には含まれない。

・作家の芥川龍之介は関東大震災を予知していた。これは8月の下旬に鎌倉で季節外れの山吹や藤、ツツジが咲き乱れていたのを見たことから。そしてその予知は当たってしまった。

・阪神淡路大震災ではその前兆として植物の異変が報告されている。その内容は「朝顔が夏から半年も咲き続けた」「地震前に椿の花が200も狂い咲きした」というもの。ここにも「狂い咲き」というキーワードがある。

いかがでしょう。「帰り花」は風流な俳句の季語なんですが、「狂い咲き」となるとちょっと怖くなりますねえ。

これからは身近の草木をよく見た方がいいのかも。

そうすれば本来の意味の「帰り花」を見つけられるかも知れません。得した気分になれますよ。きっと。

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