生活情報

バイオリン・ストラディバリウスの値段は?なぜ高い?バイオリニストは買えるのか?

投稿日:

ストラディバリウスとはイタリアのストラディバリ父子3人(父アントニオ、子フランチェスコ、オモボノ)が製作した弦楽器のことを指します。

特に父であるアントニオ・ストラディバリが、17世紀~18世紀にかけて製作した弦楽器が有名です。

ストラディバリ父子はヴァイオリンの他にもヴィオラやチェロ、マンドリンやギターなどもを製作しており、その数は1100-1300挺と言われています。

そのうちの約600挺が現存しています。内訳はヴァイオリンが520挺、ヴィオラが8挺、チェロが63挺、マンドリンが2本、ギターが5本、ハープは1台のみでナポリ音楽院に保存されています。

高価な楽器としても有名ですが、バイオリニストはなぜ買えるんでしょう?

今回は謎の多いストラディバリウスについて見ていきましょう。

スポンサーリンク

ストラディバリウスの値段はどれくらい?

高いと言われるストラディバリウスですが、実際にはいくらぐらいするんでしょうか。

最も高い金額を付けたのは、1721年製のヴァイオリン「レディ・ブラント」で2011年に1589万4000ドル(約12億7420万円)で落札されています。

それまでの最高額は2006年に落札された「ハンマー」の4億円でした。

日本人のバイオリニストでは高嶋ちさ子が「ルーシー」を2億円で購入しています。

引用元:https://matome.naver.jp/odai/

また千住真理子は「デュランティ」を2~3億円(正確な金額は非公表)で購入しています。

http://www.kpac.or.jp/event/detail_436.html

日本の国内では特定の老舗楽器商が仕入れることがあります。

なぜそんなに高い?

ストラディバリウスはなぜそんなに高価なんでしょうか。

理由はいくつかあるんのですが、ストラディバリウスが作られた17~18世紀は楽器の需要が旺盛で、特にヴァイオリンは数多く生産されていたんです。

多くのヴァイオリン製作者が量を生産することを優先する中で、ストラディバリは質を追求しました。

加えて当時の演奏環境では、音量はさほど重視されなかったんですが、ストラディバリは音量にもこだわり製作しています。

つまり後世の演奏環境に合った楽器だったんです。

さらに材質にも特徴があります。

ストラディバリウスの表板は上質なスプルースなんですが、現在では質の良いスプルースが減ってしまったんです。スプルースは200~300年経つと強度が最高になると言われていて、つまり現在が一番いい状態であるとも言えるんです。

残存数が限られていることと、元々高品質な楽器だったことが高値を呼ぶ要因のようですね。

スポンサーリンク

バイオリニストはそんな高い楽器を買えるの?

高嶋ちさ子さんや千住真理子さんは2~3億円を支払ってストラディバリウスを購入されています。

他にも多くのバイオリニストがストラディバリウスを使用しています。

バイオリニストって億万長者ばかりなんでしょうか?

じつは資産家や所有団体が、演奏者に無償で貸し出すケースがあるんです。

例えば上野製薬(株)やサントリー(株)は、自社で所有するストラディバリウスを演奏家に無償で貸し出しています。他にも日本音楽財団は複数のストラディバリウスを所有していますが、国内外の演奏家に対して無償貸与をしています。

高い音楽性があると認められたバイオリニストには救いの手が伸びるんですね。

ストラディバリウスのトリビア

ここでストラディバリウスのトリビアについて見ることにしましょう。

ストラディバリウスより現代のバイオリンに軍配

・2017年、フランス国立科学研究センターのクラウディア・フリッツ氏らの研究チームが発表した論文によると、ストラディバリウスと現代のヴァイオリンを、ヴァイオリンが見えない状態で聴衆に聴かせたところ、多くの聴衆が現代のバイオリンに軍配を上げたそうです。

このときのテストでは演奏者も目隠しされていたんですが、演奏者も両者の違いを知らずに演奏したそうです。

東京ストラディヴァリウスフェスティバル2018

・2018年7~10月にかけてクラシックのイベント「東京ストラディヴァリウスフェスティバル2018」が開催されています。

このイベントでは世界中から21挺ものストラディバリウスが集められ、その総額はなんと210億円だそうです!

ストラディバリウスは改造品

・じつは現存しているストラディバリウスはすべて改造してあるんです。

製作された当時はバロック・ヴァイオリンという形式で作られていたんですが、それを現代のヴァイオリンであるモダンヴァイオリンに作り変えられているんです。

ネックや指板だけにとどまらず、内部の構造にも手が入れられています。

これらの改造は現代の演奏環境に合わせるために行われました。

もっとも、元が高品質で確かな楽器だったからこそ、改造にも耐えたんでしょう。

まとめ

・ストラディバリウスとはストラディバリ父子3人が製作した弦楽器のことを指す。

ヴァイオリンの他にヴィオラやチェロ、マンドリンやギター、ハープも一台現存している。

現存数はトータルで約600挺である。

・最も高価なストラディバリウスは約12億7420万円で落札された1721年製のヴァイオリン「レディ・ブラント」。

高嶋ちさ子さんや千住真理子さんは2~3億円を支払って購入している。

・すべてのバイオリニストが自分で購入しているわけではない。

ストラディバリウスを所有する資産家や団体、民間企業等が演奏家に無償で貸し出すこともある。

・ブラインドテストでは多くの観客がストラディバリウスよりも現代のヴァイオリンの方が音がいいと判断している。

実際に演奏した演奏家たちも違いがよくわからなかった。

・現存しているストラディバリウスのヴァイオリンはじつは全て改造されている。

いかがだったでしょうか。

ストラディバリウスに対する疑問は解けましたか?なぜ高いのかもおわかりいただけたと思います。

でも現代の名工が作るヴァイオリンも、ストラディバリウスに引けを取らないなんて凄いですね。

今回はこの辺で失礼します。

スポンサーリンク

-生活情報

Copyright© middle time ! , 2023 All Rights Reserved.